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義母の形見 [日記・雑感]

4月の末に亡くなった義母の遺品整理で、古いミシンがあって処分しょうと思っているのだが、もし興味があれば持っていっていいですよ、と連絡があった。96歳で逝った義母の嫁入り道具であったらしい。調子が悪くてもう何十年も倉庫に放置されていたのだという。

私には何が縫えると言うわけでもないのに、ミシンが大好きという妙な好みがあって、すぐに貰い受ける旨返事をした。ナビがないため道に迷いながらも、片道3時間半かかって茨城県を横断。軽自動車でサイズ的にぎりぎりだったが、無事運送に成功。買ったばかりの車に傷をつけることもなく、ミシンは私の物になった。

商品名はニッポンミシン。シンガーとかブラザーなら聞いたことがある。ニッポンミシンとはいつ頃の製品か。外観も少し異なっていて、こちらの方がくびれの辺りが色っぽい。
IMG_0608.jpg

貰ったのはいいが、話に聞いていたとおり状態は最悪。鉄さびの部分にはワイヤブラシをかけて駆動部に給油し、本体も隅々まで掃除をして給油。ボロボロにひび割れた皮製のベルトは方々手を尽くして探し、買いに走った。
さあ、いよいよ試運転。全く縫えないうちにスティックしてしまう。ボビンの辺りで上糸が団子になり、ボビンケースの隙間に食い込んで動けなくなってしまうのだ。

私はミシンが好きなだけで、関連した知識はゼロに近い。本体をひっくり返してよく観察すると、縫い針とそれと一緒に降りてくる糸をすくい取るケースの爪のタイミングが全然合っていないのだった。普通同様なものには、タイミングマークが付けられているものだが、どこを見てもそんな物は見つからない。

試行錯誤の末、上糸がボビンケースをくるりとくぐるタイミングを探り当てるのに半日かかった。こうして雑巾くらいはスムースに縫えるようになった。私にはそれ以上のことをする能力がないのです。

私はミシンの扱いについて誰からも習ったことはない。ただオフクロが使うのをよく見ていた。長じて学生帽のてっぺんを引き裂いて、ミシンでがりがりに縫いつけ、ポマードを塗りたくって被ったり、通学カバンをばらばらにして、弁当箱がやっと入るサイズに改造したり、とオフクロにお願いできない縫製作業を自ら行っていたのです。
高3になってからは、教科書は部室に置きっぱなしで、弁当だけを持って学校へ行っていたのだ。

このミシンは私のオフクロと義母両人の面影をにじませたお宝になったのです。このフォルム、色っぽいですなあ。

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tommy88

形見分け、何かひとつだけ貰う、残す。
思い出を抱いていくために遺す。
ずっとずっと故人を偲び忘れないために遺す。
記憶の中で一生に生きる。
大事なことだと思います。
by tommy88 (2013-10-25 04:54) 

jane

tommy88 さん
nice!とコメント ありがとうございます。
by jane (2013-10-25 19:56) 

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